初心者の為のフライフィッシング講座 NO1

1、釣り人の心理
 釣り人の多くが誰よりも多くの魚を釣りたい。それが達成できると次は大きい魚を釣りたいと思うようになる。大きな魚を釣ることが出来るとこんどは変わった魚を釣りたくなる。初心者ベテランも同様な思いを持つのが釣り人の心理と云えるでしょう。
釣り人の釣りたい思いが無くなった時、釣りそのものが存在しなくなると思われます。

2、釣りは想定することによって成り立っている。 
 多くの趣味やスポーツは想定や予測することで成り立っている。実は仕事も同様であります。 初心者の多くが魚を釣れないのは予測することが出来ないからである。なぜだろう、皆と同じ事をやっているのにといつも不安に釣りをしいるのではないですか? 初心者とベテランでは同じ事を行っているようで細かな所で異なっているのです。
それらを知ることにより不安の少しは解消されるでしょう。

3、 フライフィッシングはプロセスの釣りである。

a フライを自然にながす。  
 渓流つりの基本はナチュラルドリフト(自然に流れに乗って流すです。この事は餌釣りでも同じ事です。一言でナチュラルドリフトと言っても非常に難しいことです。川の流れは複雑です。水面の流れを読むことすらままならないのに、まして水中や川底の流れなど簡単に読めるわけがありません。
こんなふうに考えたことがありませんか。ドライフライを流すにあたって皆さんは風の抵抗まで考えたことがありますか、勿論風の強い時にはフライが飛ばされるのは誰でも分かりきったことですが、私は釣りをしていてナチュラルドリフトについて少し感じたことが有りました。 それは流れる枯葉の速度よりウィングの付いたカゲロウの方があきらかに遅く流れているのを見たことがありました。
また流れに逆らってカゲロウを上流に向かって押し上げていることもありました。
水面と空気との間に風とは違うなにかがあり、空気による抵抗が働いているのではないかと思われます。 更に渓流カヤックをやる方ならよく知っていると思いますが流れのシーム(境目)では激流でもパドルを使わず停止いていられる所や流れに逆らって上っていく所さえあります。
水面の流れだけでもこんなに複雑なわけですから水中や川底では、はかり知れないことが起こっているはずです。これらを理解してフライを流せとは言いませんが頭の隅に入れておくとフライフィッシングに少しは役立つと思います。 魚にとってのナチュラルドルフトが水面に流れるフライの速度だけだと思えないのです。
bトリックキャストとメンディング
 複雑な流れにフライを自然に流すにはトリックキャストやメンディングを使用して補うことができます。トリックキャストやメンディングの全ての技術を身につければ良いのですが釣りを楽しむのにはそこまでは必要はありません。できれば左右のリーチキャストとカーブキャストくらいを身につけると良いでしょう。技術は練習すれば誰でも身につきます。しかし本当に身につけると言うことは意識をしないで自然にできることす。そこまで身につけるには時間を要することです。当初は意識的にやらなければなりません。 誰でもがスポーツをやっった経験は有るとおもいます。テニスや野球をしていてボールが何処に飛んで行くか頭で考えてから行動しますか?けしてそのような事はしないでしょう。野球やテニスでは無意識に予測をしてボールを追ってプレイをします。トリックキャストやメンディングも同様です。無意識に出来るようになって下さい。
釣りもベテランの技術者が仕事を成し遂げる時のように無駄の無いスムースな動きが要求されます。けして諦めずに続けください。

解決策1、
 
一言で云うと魚の居場所が判らないからです。魚の住処は流れのどこにあるか、魚が何処で餌をとるかそれが判明すればおのずと解決する事です。魚の住処や捕食場所を理解するのは釣り回数を増やすのが一番の解決策ですが週2回の休みではマスターするには毎週の釣行でも数年はかるでしょう。できれば良き指導者の釣り人と同行できるとかなり近道です。そして魚のいる所を知る事です。 魚の住処を知る事は魚がどこでフライに食いつくかが判るからです。判れば事前に心の準備ができビックリして合わせることも無くなり的確なタイミングで合わせる事ができ安くなります。 大きな魚にはゆっくり合わせる事も出来ます。大きな魚はゆっくりフライを食い込みますので早合わせは禁物です。必要以上に強く合わせる事もなくなり合わせ切れも少なくなります。初心者の多くが経験しているフライに出るのに釣れない、出ても合わせ切ってしまうのほとんどがこの事で解消できると思います。

あたりの取れないわけと合わせそこなってしまうわけ
 魚の気持ちになって釣る。  魚は何時も安全でかつ沢山の餌を捕らえることのできる所で待っています。その場所は餌の流れてくるのと素早く身を隠すことができるのが一致した場所です。 そしてかつ使用カロリーは最小で取得カロリーは最大の場所が魚にとってベストなのです。しかし流れの芯では餌は沢山流れて来ますがたえず泳ぎつづけなければならないのでカロリーを沢山使います。双方のバランスの良い場所が魚にとって最適の捕食場所になります。
 1つの瀬では1番良い所に1番の良い魚(1番大きい魚)がいます。1番力の強い者だからです。同様に2番目の所には2番、3目には3番の魚がいます。そのことが判れば簡単です。 魚の少い川では1番の場所か2番の場所だけにフライを流せば済むことになります。不必要なキャストや無駄な釣りを避けるだけではなく、魚にも警戒心をも与えないで済みます。
また魚の豊富な川では全てのポイントにフライを流してより多くの魚を釣ることもできます。魚の居場所が判れば30分も釣行すればその日のポイントを絞ることが出来るのです。
 1990年頃最初にNZへ釣に行った時、NZへ付いたら大雨の後で川は増水しポイントが荒れていました。ヘリで行った或る川でガイドの指示に従ってE氏と私で交互に釣って行きましたが魚のあたりが少なくガイドが首をかしげる状況でした。その時点でこの川は魚が思ったより少なく全てのポイントをこまめにキャストしたら少ない魚を追いやってしまい更に厳しい状況になると判断しました。
魚に気づかれない川を一望しできる場所から私がE氏に指示しました。「8m上流の流芯から左50cmの所に底に大きい石があるのでその場所より上流3mにキャストして下さい。」「目安は岸に大き目の枝が見える右側」釣り人からは視線が低く細かな状況が判らいので「指示を目安にフライを落としてください。」時には魚が逃げるのを警戒して「無駄なフォルスキャストを避けて、静かに3m前進」底に大きな石があるから魚がいるならその前だと私が事細かにポイントの状況をE氏に伝えました。言葉の分からないガイドをに頼るより私と
E氏と互いに声をかけ合った結果、上流へ入川した他のパーティーは凄惨な結果でしたが私達だけは良い結果を出すことができたのです。
どんな状況も的確な判断ができればこそ結果が出るものです。皆さんも自分なりに判断できるよう身につけてください。

フォルスキャストは無ければ無いほど良いです。
ヤマメは岩魚より流れの速い所で餌を待ち受けます。魚体もそれに適してひらたく流線型です。流芯はエネルギーを使用する分、餌が豊富に流れてきますのでそれに適した泳ぎやすい身体を持っているといえます。
比べて岩魚は流れの緩やかな所を好みます。体は丸くくねくねしてどう見てもヤマメに比べて泳ぐのは苦手なようです。底にピッタリ着いて餌を待っていることもあります。流速が遅く餌の流れてくる量が少ない為エネルギーを使わず餌を捕食します。これは最源流に生息する岩魚は水棲昆虫が少なく何でも食べる環境に適応しているとも言えます。
適応と言えば最源流の僅かな流れで生息いているヤマメも同様なことが言えます。沢が凍っている解禁直後でもドライフライで釣れてしまいます。餌が少なく生きてゆくに極端に厳しい環境がヤマメにそのような習性をもたらしたのでしょう。
ヤマメに比べて岩魚はエコ生活といえます。そんな岩魚はわずかな水溜りでも生息できる能力を持ちあわせてます。釣り人が石で囲った溜まり水に魚を入れて置くと蛇のように濡れた石の上を身体をうねらせ這いずり出てしまいます。
このようにヤマメや岩魚の行動にも大きな違いがあるので当然のように釣り方にも違いが現れてきます。
フライを流すと岩魚はゆっくりと的確にフライを咥えてくれます。
ヤマメは素早いですがフライの咥え方があまり上手くないです。
このような事からヤマメは少し沈め気味にドライフライを流すとうまくフッキングすることが多々あります。岩魚はゆっくりドラックフリーで流すのが基本ですが時には実際の流速より遅く流れに乗せてフライを流すと良くフライに出ることがあります。
これらの事もプレッシャーの強い川やハッチの状況などによって少しづつ異なりますので自分の感性で判断してください。
最初に釣りも仕事もスポーツも想定や予測から成り立っている提言しましたが、人それぞれの釣り方があるのはまちがい有りません。が私はフライフィッシングはプロセスを楽しむ釣りであると思います。家で1週間後にフィールドに立つ川の事を思い浮かべウィスキーを傾けながらフライを巻く。こんなこと考えた事ありますか?イメージが次から次へ>と湧き出てきます。当日の天気を気にすればするほどあれもこれもと多種多様のフライパターンが脳裏を横切ります。そして前日の夜は眠りが浅く何度も起きて時計を見ては目を閉じます。結局時がすぎて寝不足で行く事もあります。 こんな事は子供や釣り人でなければ味わえない楽しいことです。

川に着いたらはやる気持ちを抑えてウェーダーに着替えるのもある意味で釣りのプロセスを楽しむと言って良いでしょう。 ストーキング(魚に気づかれずに近づく)の注意 渓相を確認して流れのポイントをよむ。 小さい瀬や淵では魚の釣れるポイントは有っても1ヶ所か2ヶ所程度ですが大きな瀬や淵では数箇所を超えることもあります。そのフィッシングポイントへナチュラルドリフトでフライを流す事になりますがその前にこれからの動作のすべてをシミュレーション(想定)しなければなりません。
最初に考えることがストーキングです。ある私の友人の釣り人が言いました。「釣りの基本ははストーキングが1番だ!」そうです。彼のように言い切っても過言ではありません。 今後、釣りをして行くうえで何時も気をつけなければならないのが最初の1歩であります。これが雑な人は良い結果が望めません。是非、気をつけてポイントに近づいていただきたいです。
ストーキングの基本は下流から姿勢を低くして近づきます。大きな石や瀬の段差を利用し身体を隠し、かつキャスティングのし易い場所を選びます。
 ベテランはトリックキャストもふまえて立つ場所を選びますが初心者はストレートラインを前提に立つ場所を選択してください。 初心者と行動するとストレートラインではナチュラルドリフトがとうてい無理な位置へ立つことが多々あります。たった右に50cm移動すればドラックがかからずフライが自然に流せるのに、どうしてと思うことがあります。また少し遠いいがドラックの掛からない場所を指定して、ここから投げてくださいと指示したのにわざわざ難しい所へ近づいてきて流れが複雑な所から投げドラックの嵐にあってしまう事がよくあります。少し時間がかかりますが自分で意識して立つ場所を考えてから行動に移すようにしよう。何年かやっているうちに必ず無意識に出来るようになります。 

キャスティング

 芝生の上や管理釣り場のポンドで練習するしかありません。しかし練習のキャスティングとフィールドのキャスティングとはかなり違いがあります。どうしても練習のキャスティングではループを作る事と遠くへ飛ばすことだけに集中する傾向があります。本来、釣に必要なのは投げる距離より正確なキャスティングです。特に渓流釣りでは正確にポイントへ落とすことを要求されます。約7・8mから直径30cmの中へ落とせるように、4・5mからでしたら直径15cmの中に落とせるようにします。湖での釣りでしたら最低20mくらいはトラブル無しで飛ばしたいです。 湖のキャスティングと渓流のキャスティングではキャスティング方法が異なります。渓流ではループを作ることができればそのまま必要な距離に生かせますが湖のキャスティングでは10m以上の距離を投げる都合上ループを作るフォルスキャストのほかに他にラインの移動作業が加わります。見た目でロッドのティップの位置が大きく前後に移動します。簡単に説明しますとラインにパワーを掛ける作業(ロッドを振りループを作る作業)の他に長いラインを垂れないようにロッドを移動する作業が加わります。
 頭で考えるより体で覚えるしかありませんがメカニズムだけは頭の中にいれてください。 ラインはティップの軌跡を追うと言われています。また一見ロッドのティップが弧を描いているように見えますがティップは水平に動いています。 なれないとラインの軌跡が交差しフライでラインを釣ることが度々あります。これをテーリングと言います。ラインの軌跡が8の字を描いているからです。平行に移動していればこのようなことは無いのですがどうしても風の影響などでよくテーリングを起こすことがあります。そのような時はバックキャストの軌跡だけを少し身体から離すことにより往復の軌跡を変えることにより防ぐことが出来ます。また湖での遠投では軌跡を水平に保ちますが渓流釣りでは一般的にバックは高くフォワードキャストでは低くします。こうするとフライが舞い上がることを防ぐことができます。フロントが舞い上がるのは芝生やポンドで練習した初心者によくあることです。管理釣り場や芝生で練習の時には最後のシュートまで練習してください。そして目的の場所に正確に落ちるように練習してください。
湖での釣りにはラインはウェイトフォワードかシュティングヘッドを利用すると効率がよいです。無駄に何度もフォルスキャストをすることもなく釣りに費やす時間が長くなります。(水中にフライがある時間が長くなります。)それだけチャンスも多くなり釣れる確率が上がるのです。水上や水中にフライが無ければ永遠に釣れませんからね。

 初心者の釣り人の一番の欠点は経験者に比べてトラブルが多く水にフライが無い時間が多すぎることのようです。9mのラインヘッド部分を出せるようになったらダブルホールの練習しましょう。ロッドに最大のパワーを掛ける(ロッドを曲げる)時左手でラインを強く引く事に寄りさらにパワーを掛ける(ロッドを曲げる)事ができます。この動作を前後にする事をダブルフォールと言います。そのままシュートして距離をかせぐ事が出来ます。上手な人は30m以上の距離を投げます。シュートしたままラインをフリーで着水するとリーダーとティペットがターンしないでそのまま着水することがあります。その時には着水寸前にロッドのティップを上げブレーキをかけるとリーダーとティッペトがターンします。 湖での釣り方は後にして渓流のキャスティングについて説明いたします。) キャスティング(渓流)
 さて今度は渓流へ行きましょう。 渓流のキャスティングでは先ほど言ったようにフロン部が舞い上がる初心者が多いですラインを水面へ突き刺すようにキャストしてみてください。どんなにラインスピードをあげてキャストしても水面擦れ擦れで制止すれば理論上ソフトに落とすことができます。ラインのトルクが弱いとふにゃふにゃでコントロールが出来ないです。少しキャスティングにメリハリをつけ前後で静止するように投げてみてください。なんとなく理解できたと思います。

渓流の釣り方
 それでは釣る為のキャスティングにはいる前に魚の居るところを確認します。魚の居るところは経験からあの先にある数メートルの瀬の黒い石の前とこちらの赤い石の横に決めましょう。決めたらフライがどのように流れて行くかイメージします。イメージ出来ましたか?どうやらこの場所から初心者のできるストレートのラインで長い距離をドラックフリーでポイントに流すことは不可能のようです。それでしたらストレートのラインで流してドラックのかからない場所へ移動しましょう。そうです左に50cm移動すればラインが少し流れの遅いシーム(流速の早い場所と流れの無い場所のさかえ目)上に落ちるでしょう。そうしたらフライが流れに引っ張られないで済みそうです。しかしそれでも2ヶ所のポイントを1度のドラックフリーで流すのは無理のようですね。「大丈夫です。」魚がフライに出るのはたった30cmの区間です。そうです30cmだけドラックフリーで2ヶ所に分けて流せば2匹とも釣れます。(2匹ともフライに出ます。)ところが残念ながら初心者は1度でポイントへ落とせる確率が低いのです。1度目、2度目、3度目とさらに投げなおします。投げなおせば投げなおすほど魚の出る確率は低くなります。結果あまり釣れない訳です釣り方(渓流) 釣り方(湖)

今度は湖での釣り方について話をします。
 初期の水温の低い日には魚は深い場所に居ます。湖底では冷たい風の影響が少なく水温が安定しているからです。気温の低い初期はそれに比べて水面は冷たい風でかき回され風に大きく左右されます。気温が上がり春らしい日差しが差し出すと魚も活性が高くなってきます。それでも気圧配置によって北風が強かったりしたら、その日は最悪です。水温が下がっていると感じたら解禁当初のようにゆっくり底をはうようにフライを引いてあたりを待ちます。ラインは深く沈める為にはタイプⅣやⅢを使用します。同じように底を釣る方法であってもタイプⅡを使って底を極めてゆっくり引いて釣る方法もあります。それはその時の魚の活性やポイントによって変えます。一般的湖に立ち込んでの釣り方はあまり一揆に沈むラインを使用すると根がかり(底の障害物にフライが掛かってしまうことしますのでタイプⅣやⅢの使用はさけてください。
 何も無いところへラインを沈ませゆっくり引いたり早く引いたり変化を付けるのですがそれでも湖底は見ることは出来ません、初心者は不安と自信の喪失からおそらく長い時間釣りをするのがきついでしょう。しかも魚の当たりが1時間も無かったりしたら集中できる訳がありません。それが長い間釣りをしているベテランは出来るのです。見えないフライが湖底で魚を誘い生きているかのように泳いでいるのが見えるのです。湖底はずのないフライがの水草に掛かりそうになったり底石にラインが触れたりすることで見えない水中をイメージできるから不思議なんです。空想では今そこに岩陰から出てきた20インチ(50cm)レインボーが私のフライに今にも食いつこうとしているさまが・・・・・間髪をいわずにロッドを立てた。ずしっと重みを感じ一揆にロッドは満月のようにバットから曲がりラインを引きずり込むまれるのです。こんな空想が次々に浮かぶようになれば湖での釣りは完璧です。魚の当たりがほとんど無い日でも自然を肌で感じ1日中見水面を見ていることができるでしょう。冒頭に釣りが想定とシミュレーションで成り立っていると言ったことが少しは理解できたと思います。

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