vol.6 ジャングルのサイトフィッシング

ジャングルのサイトフィッシング  ジャングルのサイトフィッシング  自衛隊橋(私達はそう言っている。)の下流に水楢や しなの木の雑木林がある。 その中を川が蛇行しながらゆっくりと流れている。 そこにはわずか数百メートルの自然がのこている。 上流から下って行くと細い用水の流れが合流した、 プールの左手に潅木の小さい株があり、 川沿いの遊歩道が株をまいている。 何時も何気なしにまいて通る潅木の下が少し緩やかな 流れになっている。 潅木の枝が障害物になっているので見逃しがちであるが、そこには時折大岩魚があくびをしていて 私の目を楽しましてくれていた。 たまにそっとフライを落としては見るもののすぐにやめて下のプールへと足を進めてしまう。 このポイントは最初に来た時の印象があまりにも強いからである。 その日は信濃川上に釣りに行ったが千曲川は秋に降った大雨の影響で工事中のユンボが川中を 我が物顔で幅を効かせて居て早々引き上げて来たのである。 忍野に立ち寄り自衛隊橋の前後ですれっからしのヤマメにさんざ馬鹿にされとぼとぼと雑木林に 逃げこんだ。ここもフライを見られ何てことだろうとフライボックスを眺めながらボートしていたら 目の前を上下に乱舞する虫を見つけた。良く見るとスピナーがけっこうの数飛んでいる、 スピナーを持てた遠ちゃんが何匹か釣ったが、私のフライボックスにはスピナーは一本も持っていな かったのである。 こうゆう時には遠藤さんと節操なく遠ちゃんからせしめたラスティー・スピナーをティペトに 付けてそと下流に目を向けるとアベレージサイズの虹鱒がライズを一発、 しめしめとぬるぬるの土で足元のおぼつかないポイントへそっと近づいたら、 そこにはひとまわりもふたまわりもでっかいヤツがクルージングしていた。 ごくんと生唾のんでワンキャスト、ニュジーランドを思わせるさサイトフィッシング、 ゆ~くりと近づく、魚がば~っくりだった。  7Xのティペトで切れずに済んだのは45オーバーのブラウンでした。 遠藤ちゃんと二人で「切れないわけだブラウンは引かないからな」の一言でした。 そんな思いが潅木の下を簡単に通りすぎ保護区のようにしているのかもしれない。  一度斜面を上がった遊歩道が高い所から低く下るあたりに 来ると底が岩盤の流れがある。 そこにはいつもかわった魚がいて(ほんとうは何も変わってい ない)岩盤の上を何匹かで逆立ちして下流から上流へ移動して は下流へ戻るのを繰り返している。 彼らは岩盤に付いているトビゲラの仲間を拾うようにして 食っているのである。 彼らを釣るのは難しくカディスピュウパー、ラーバや ケースドカディスなどをスプリットショットを付けて底を コロガしたり止めて待って見たりしたがたまに釣れる程度で あた。  潅木の間をそっと覗くと思いがけなく大物の魚に出合う事が できる、彼らは必ず浅く水面すれすれに低位置を取り上流から流れて来るもの(食物)を待っている ようだったが、障害物が多く邪魔をしてなかなか針に掛かることはなかった。