ヘンリーズホーク アングラーのへらだもシャキーン! 友人の保科のガイドで遠藤と私と三人で山梨県県忍野・桂川に行った。以前私達は何度かこの川で釣りをした事はあったがこの川がフライ専用になってからは遠藤と私は始めてであった。山中湖から一つ目の入り口から入り保科の指示で上流部の空き地に車を止めた。保科と私達三人は数年前にM・scootの案内でヘンリーズホークで釣りをした、最初の釣行で納得いくフライが無く腰まで水に浸かり、たたずんで悔しい思いをした仲間でもある。その後何度か一緒にアメリカへ釣行し本当のハッチ・マッチを味わったのも一緒である。それからの保科のフライタイニングは凄まじいものがあった。ちょっとした暇があれば何時もフライを巻き、フライを巻くのが一番楽しいとまで言いきるのである。以後彼のことを私達仲間は常時二千本のフライを持っている男といっている。ちなみに私でもアメリカへ釣行する時には千本のフライは必要と思っているし実際に持っていく。 保科の案内で車を降りた私達は道を渡りオシャレな公衆トイレで用足しをしてトイレの直ぐ裏から川にはいて行くと、予め聞いてはいたがなんと三面コンクリートではないか、護岸の上からそっと草をよけてのぞくと人の拳大の大きさから頭くらいまでの石が所々に落ちていて流れに変化をつけていた、大きめの石には必ず魚が付いていた。その中の何尾かはライズまでもしているのだ。一番手前の岩魚に軽くフライを落とすと簡単に咥え簡単にばらしてしまった。瞬間廻りに居た魚達はくもの巣を突っついた用に散って行った。これぞ三面コンクリートのタタリだ。 私達は保科を先頭にまた少しづつ前に進んで行くと「ストップ」遠藤が小声で叫ぶ、どうやらガイドの保科が魚を追い越してしまったらしい、私がそっと二人のそばへ近づくと遠藤までもが魚を追い越して居るではないか。沢空木(潅木の一種)の株下を定位置に形の良いヤマメが流れて来る小カゲロウを待ち構えていた。遠藤がリーダーを伸ばしラインを出し、すかさずキャスト、フライが流れに乗り魚の前に達するといきなりバクリとやった。遠藤の#3ロッドがバット近くから曲がり足場が高く取りこみを考えていると、ガイドの保科がベストにぶらさがっていた短いへらだもを取り出すといきなりシャキィーン!と、磯釣り氏のごとく伸ばしたのである。魚を乾いた手で触ることなくリリースすることが出来、私と遠藤は手作りへらだもの威力を見せ付けられたのである。 つづく * ヘンリーズホーク USAのフライフィッシングで有名な川。 * フライ 虫や小魚に似せた毛鉤。 * ハッチ・マッチ 水棲昆虫の羽化に合わせたフライで釣る釣り方。 *へらだも へら鮒釣りの人たちが使う柄の長い細かい編目の網(たも) 普通はフライフィッシングの人たちはかっこ悪いので使わない