vol.7 輪ゴムフィッシング

輪ゴムフィッシング  輪ゴムフィッシング  写真はガイドのマーリーと鹿郷氏 輪ゴムフィッシング 忍野がそろそろ禁猟になる頃 フィッシングマスターズの 鹿郷君と(NZのガイドのマーリーが そう言っている私の釣友の一人である。 彼が今年のニ月に友人の瀬田君とNZに 行った時に蝉の一番良い時期で イージーな釣りで沢山の魚を掛けたので マーリーがつけたニュックネイムです。 私達は「どっちがマスターでどっちがズだ」 などとジョークを言っている。) 忍野に釣りに行くことになりました。  彼は忍野がフライ専用になてからは始めてのようで 私がガイドをすることになったわけです。 忍野へ彼とは彼がフライフィッシングを始めたて 日曜日に午前中フライタイニングをして 午後から来たことがあります。 その時はまだ餌釣りがいたので魚は少なかったので あまり釣れなかった記憶があります。  当日彼が私の家へ迎えに来て私は逸る気持ちを押さえて車に乗りこんだが、忘れ物に気付いた。 以前から釣友の遠ちゃんと話が出ていた輪ゴムを取りにもどった。 十本ほど持って車にもどった時彼はしきりに輪ゴムのことを聞いたが私は説明せず今にわかると 笑って車を走らせた。  自衛隊橋に着くと仕度をした家郷君にへらだもを持つように告げると、 「え!これ本当に持つの?」彼はカッコ悪そうに長いたもを持て橋の下流へとついて来た。 その日は水位が高く水路の水を細くしてあり何時も波立っていて底が見えないポイントが 良く見えるためふだんは流れが速く釣りをしない水路の中ほどに 大小数匹の虹鱒やヤマメが見えニ・三匹釣る為に時間を少し多くついやしてしまった。  下流に水面から少し高く登ったところに遊歩道があり手前がバンクになっていてバンクの所々に 流木や水草が障害物になて入てそこには何時も数匹から十匹程度の魚が付いている。 その中でも良く釣れる場所と釣れない場所があり遊歩道から数歩下りて周囲一メートル余りある ソノの木(雑木で木肌の綺麗な木工材工に良く使われる。)木の下のポイントは最も魚の反応良く そこでは必ず何匹かの魚を釣ることが出来る。そのポイントは太い木にそっとよりかかり 小枝をさけてキャストする。 自分がねらった魚以外の魚が必ずフライに飛びついてくる変わった場所でもある。  15・6メートルほど下流に枯れた自然木を垣根にしてあるすぐ際を本流から外れた小さい瀬が 流れている。この瀬脇に二匹のレインボーが定位置をしかり確保している。 瀬が波立っているので見逃しやすいが、ここの魚ニンフを沈めると意外と簡単に釣れる。 ただしピンポイントにフライを落としラインをコントロールできればの話になるが、 ほとんどの釣り人がその前に魚がいることすらわからず通り過ぎてしまう場所である。  岩盤の逆立ち岩魚のポイントから下流に少し行った辺りにほとんどウォッチングの場所が 連続している。そこは潅木に覆われていて釣りの対象にならないのか皆が通り過ぎて行く。 潅木の間はほとんど隙間らしきところが無く顔をそっと近づけて覗くと 思いがけ無く大型の魚に合える。 この日も何箇所かの場所を覗き40オーバーのレインボウを見つけ鹿郷君を呼び寄せ二人で 少しの間ウォッチングしてしまい鹿郷君は「綺麗な魚だ虹のオスだ!」釣りたそうにつぶやいた。 私がフライラインをリールに巻き込みティペットだけをロッドから出し、おもむろに左手に 巻き付けていた輪ゴムを取り出しロッドの先端に巻きつけたのを見て彼が叫んだ。 「え!そんなの有り!」私はフライロッドのチョウチン釣りを始めようとしたのである。 息を殺して左手で枝を除けると隙間にロッドを差し込む、そっと落としたフライをゆっくりと 魚の前までながす。今まで一度もフライを目の前にしたことのない魚にとって こんなに美味そうな物はないとばかりに大口を開けバックリ。 始めての経験でビックリした魚は全身を震わせて暴れたがあらかじめ太いティペットにしていたので、 すかさず強引に引き寄せた。 輪ゴムフィッシングポイントのお魚は素直で良い子ばかりでした。