vol.8 忍野の聖域

忍野の聖域  忍野の聖域  この場所は禁漁です。 忍野の聖域 中流域に鯉を釣らせる釣堀がある釣り場の脇を川が 流れていて対岸からきれいな冷たい水が涌き出て 鯉釣り場の住民が使う井戸端のような物が有り 小さな木橋が渡してある。 その木橋の下を覗くと何時も形の良いペアの岩魚が休んでいる。 大きいほうが少し色が濃く必ず寄り添うように お互いの体の一部を触れ合っている。 最初に見つけた時にフライを落としたが振り向きもされず 何か悪いことをしたような気がしてその後は見るだけにしている。 観察しているとたまにゆっくりとした動きで4・5平方メートルの中を 一回りしては元の位置へ戻る。 途中極小さな虫を水中で捕らえているようにも見える。 15分ほど見ていたがペアの間に入りこめそうもないく、 何となくほのぼのとした気持ちでその場を去り直ぐ上の橋の上流へ移動した。 橋の上流の葦の切れ目の手前のバンクには30センチ前後のレインボウが 3匹ほど見えた私がディホルメ(ソーヤ・ニンフを簡素かした物)を流すと 直ぐに一匹が掛かりリリースした。 コンクリートの対岸に目をやると幅30センチ長さ1メートル余りのゴミが何かに掛かり浮いている。 すぐ側に22・3センチのヤマメが盛んにライズしている。 そのヤマメに何度かトライしたが本物は食っても私のフライは一向に食う気配がない。 何度かフライを流して、ふと見つけたゴミの下にさっきまでゴミの影だとばかり思っていた影が わずかに動いたこの影45センチくらい有り少し興奮気味に何度も何度もフライを流したが まったく反応がない。 *(この魚2週間後に偶然掛けることができた、じつはその日は大きい魚は確認できず小さい方の 魚をねらいキャストをしたらゴミの下からいきなりパクリと来たもんだフックは#32手元で ナチュラルリリースしたのは45センチ.クラスの雄ヤマメでした。) あきらめが肝心と解った振りして少し上流へ行くと 右手からクリア・ウォーターが入りこんでくる場所がある。 ここには何時も何匹かの大きい魚が見え、 そのうえ小さなヤマメが 必ずライズしていた。 さっきまで使っていたドライフライの 小さいサイズで何度かヤマメに トライしたが鼻先までは来るが、 なかなかパックリとはいかず 底に見える50オーバーの レインボーに挑戦 こいつが何度か流す内に偶然パクリと 来たもんだ。 しかし一気に下流の橋近くまで走られ 全て終わり。 その後戻って何度か流しているうちに クリヤウォーターの禁漁区の中に 優雅にすいすい泳いでいる魚に 引きずられその先がついつい見たくなり 思わず友を誘い 車にロッドを置いて対岸へ廻りこみ、 民家の庭をしけいし川の岸まで 行ってみた。 わずか100メートル足らずのクリヤー・スプリングクリー梅花藻 (水草の一種で梅の花に似た花が咲くところから名付けられてる)の茂ったゆったりとした流れに、 いるわいるわ大小さまざまヤマメに岩魚虹鱒そしてブラウン、 上は60センチオーバーから稚魚まで皆おもいおもいの位置に流れて来るえさを待ていた。 ためしに拾った小石や木葉を投げても寄ってくる。 そのう友人とかってな事を言い出して、「ここがデピュウのように自分の持ち物だったら一人一日 20000円で3人まで釣りをさせる」「レギレーションはどとか」言いたい放題。 結局ここはけして釣りをしてはいけない神聖な場所に落ち着いた。 その日一番大きいため息が出て終わりにした。 *デピュウ(アメリカのスプリング・クリークで牧場の中を流れている。この川は個人の持ち物で 1日何ロッドかの釣り人を入れている。この川で釣りをするには予約が必要です。)