初心者の為のフライフィッシング講座NO2タイイング編

フライタイイングへのアドバイス

フライフィッシングにタイイングは付きものですと簡単に云いますが、最近基本的なパターンを巻けない、巻かない、タイヤーが増えています。
ベーシックなパターンはフライイタイングをマスターするには必要不可欠です。
またベーシックなパターンをマスターすることによりほぼ全ての水生昆虫や陸生昆虫(テレストリアル)に対応できるはずです。

ハックルフライ
 大きく分けてハックルフライは立て巻きと横まき(パラシュート)に分かれます。基本はメイフライパターンの立て巻きになります。
その中でもバンチウイングを使用したフライは今後フライフィッシングを続けて行く上で必ず必要になります。
昔から3サイズ・3カラーと云われるように一つのパターンをサイズとカラーを変えるだけで多くのメイフライの釣りをクリアできます。
またベイシックパターンはサイズを合わせるだけでほぼ国内の水生昆虫に合わせることができます。
代表的なパターンの中か、ダークヘンドリックソンなどは#14・#12のサイズにすることによりオオクママダラに通用します。
ライトケヒルやマーチ・ブラウン等は大きなサイズはフタスジモンカゲロウ、少しだけサイズをおとすとヒラタカゲロウに通用します。
当然クイルゴードン等も同様にサイズを変えるだけでで多くのメイフライに対応できます。
これらのベイシックパターンはサイズやカラーにほんの少し感性を加えるだけでより広範囲のメイフライに対応できます。

メイフライパターン 
 バンチウィングのマラードやウッドダックのフランクやフェザーはクイルウィングに比べて丈夫で何匹釣っても簡単に壊れない実用性の高いパターンです。
また最近では科学繊維を使用したウィング材も数多く出回っていますが素材の均一では優れていますがフライボックスの中で変形すると天然素材のように湿気や蒸気で元に戻すことが難しいようです。
初心者はできるだけ天然素材を使用したベーシック・パターンにボデーのダビングのカラーを変えることにより多くの昆虫に対応することを薦めます。
ハックルはダンやミディアム・ダンを基本にすると良いでしょう。

ボデー材にはダビング材以外にクイルやストーク・バイオット等が有りますがそれぞれ特徴が有りますので長所をいかした使い方を選びます。

ダビング材は
 ボデー材として一番使い易くどのようなパターンでも対応でき優れた材料です。欠点は水に濡れると色が濃くなりますのでその分を考慮して色合いを選ばなければなりません。特にスレッドの色をダビング材に合わせないとスレッドの色が表に現れてしまいます。

クイル材は
 リブ(関節)(虫の縞模様)をはっきりでますが釣れた時に魚の歯やホセプトで切れることが多く長持ちしません。しかし濡れても色が変わらない長所もありますので状況に応じて上手く使うことです。

ストークは素材が硬く巻きにくいですが一番丈夫な素材と云ってよいでしょう。材料はハックルから調達できますのでハックルを選ぶと時にボデー材として使うことも考慮して選ぶと良いでしょう。
選ぶ時点ではストークの裏側に必要な色が付いていることが条件です。
ファイバーをむしると表側は色が取れてしまいますので注意してください。使い方は大きいサイズのハックルを抜き(ハックルとして使わないサイズ)ファイバーをむしり取りストークだけにします。机上でハーフヒッチャーでつぶします。その後更に爪を使って指で平たくつぶします。両端に白い部分が出来、平たく柔らかくなった素材をボデー材として使います。
ストークはボデーを細く巻くスピナーには欠かせない素材です。できればストークを取る為に選んだハックルが良いでしょう。

 グース・バイオットやターキー・バイオットもリブがはっきり出せる素材です。カラーも豊富でメイフライ・パターンには欠かせないですがやはりストークに比べて切れやすいのが難点です。どちらかと云うとグースバイオットは小型のメイフライやユスリカにターキーバイオットは素材が長い分だけ大型のメイフライに適しています。
更に小型のメイフライ用にグースバイオットを鋏で細く断ち割りリブを増やして巻くことも良い方法です。是非、試しください。

フライタイイングの注意と手順 メイフライ(バンチウィング)

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最初にフックにシャンクの長さ(アイの後ろからカーブするまでの長さ)のテールを数本付けます。シャンクの長さはそのまま出来上がったフライのボデー(ヘッド、ソラックス、ボデー)の長さになります。
フックサイズによってテール材は増減します。フックサイズが大きい場合は多めに、小さい場合は少なめに付けます。小型のメイフライ等は左右に分け1本づつ広げて2本付けるとよいでしょう。
ウイング(マラードやダック)はシャンクの1/5から1/4付近に先をそろえてフックの上に乗せます。長さは材料を起こした時にボデーの長さかほんの少しだけ長め位までがひっくり返ららないで良いと思います。余り長すぎるとバランスを崩してひっくり返りますので注意してください。しっかりと乗せてスレッドで硬く閉めたらスレッドを前方へ持って行きウイングを起こします。起こしたウイングを二等分して左右に襷(タスキ)がけをして分けます。バランスよく左右に広がりましたか?
それでは不要なテール側をカットしてスレッドで硬く巻き込みます。テールまでスレッドを移動してダビング材でボデーを作ります。虫のボデーですので少しテーパーを付けて太くします。ウイング部もダビング材でたすきがけをすると固定できて直よいです。フックのアイの後ろまでダビングを巻いたらスレッドだけウイングの後ろまで戻します。

ハックル
ハックルケープからハックルを選びます。ハックルの長さは巻いた時点で直径がボディーと同じ長さ位がよいです。ウエットフライは長めになります。ハックルはネックを使用する場合はウイングの前後3周くらいが良いですがサドルを使用する時は前後2周くらいが標準です。流れの激しいポインで使用するフライのハックルは多めに流れの緩やかな場所で使用するハックルは少な目がよいです。
メイフライパターンのクイルウイング・フライも同様に巻きますが1匹釣るとウィングが壊れてしまいますので初心者にはあまり勧めません。
そのかわりにハックルティップを使用して巻くことを勧めます。ハックルティップのパターンとしてオーソドックスなのがアダムスやモスキートになりますがハックルティプをヘンティップに替えカラーにバリエーションを付けると多くのメイフライパターンを作る事ができます。シルエットも美しく魚も良く出ますので私は大好きです。

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ヘンティップをウィング゙に使用したパターン

パラシュートフライ(スピナー&フロティングニンフ)
 パラシュートフライをダン(パラダン)として使用するにはポストをウイングとしてシルエットを作らなければなりません。実際そのようにポストをウィング状にして使用しているパラシュートは数少ないようです。パラシュートフライの多くが魚の目線ではスピナーであったりフローティング・ニンフであることが多いのです。使用する方もそのように使用すると良い結果が見込まれます。まらフライを巻く時にもそのように工夫することが必要です。
スピナーとして使用するにはボデーを細くテールを長くして長めのハックルを少なく巻くとよいです。
フロ-ティング・ニンフとして巻くにはスピナーとは反対にテールを短めにボデーを太めにハックルをやや短めに巻くことになります。
スピナーのボデ-材にはストークが優れていますがカラーのバリエーションが少ないのが欠点ですが実際にはイブニングで使用する機会ほとんどですので気になることは無いと思います。魚にはシルエットしか映らないからです。
日中に使用するにはグースバイオットやターキーバイオットを奨めます。カラーも豊富で使いやすいです。
フロ-ティング・ニンフとして使用するにはダビング材を使用してニンフの質感を出します。あまり硬く巻かないでリビングを輝く素材を使用し気泡のようにします。
ハックルも工夫してグリズリーとブラウンのミックスやバード・ダーク・ジンジャー等を使用すると良い雰囲気がでます。私はダン・グリズリー等も使用します。濃いオリーブやブラウン・ボデーの#16・18パラシュート等は私の経験ですとフローティング・ニンフトして食われているように感じられます。
又、スピナーとして私が使用したパラシュートはCDCを左右に分けたフラット・ウィングのパターンやハックルティップを使用したパターンより視認性もよく、釣果も比較的良い結果が出ています。
スピナーの基本はハックルを巻きすぎない事とポストを短くする事です。よく切れる鋏を持っていれば現場でポストのカットも可能ですので釣り人が見える範囲でカットすると良いでしょう。他にフロ-ティング・ニンフにはフェザントテールやハーズイヤーのウイングケース部分にCDCフェザーや発砲樹脂を丸く付けて浮かすタイプも有りますが視認性が悪いのと流れに対して姿勢が悪くひっくり帰りやす欠点があります。それらはフックの形状やボディーのリビングにワイヤーを使用し重心を下にしボディー部分を沈めると安定します。それでも簡単で良く釣れるのはパラシュートタイプのフローティング・ニンフです。釣り人がパラダンとして使用している何割かは魚にとってはフローティング・ニンフとして食っているはずです。意識して使用して観て下さい。おそらく感じることがあると思います。
コスタルディアヘアーを使ったコンパラダンもパラシュートフライト同様に魚にとってフローティングニンフであると思われることを多々感じます。パラシュートフライの中にはテレストリアルとして使用しているパターンがあります。ボディーをピーコックハールを使用したパラシュートパターンの多くがこのタイプです。初夏から秋口にかけて使用すると良い結果がでます。ハックルを変えるだけでも多くの陸生昆虫に対応できますので試して下さい。ハックルのカラーにはブラック、ブラウン、バジャー、ファーネス、ダングリズリー、バードジンジャー、クリー等を使い分けると良い雰囲気のフライが巻けます。ボデーのカラーを変えることによりバッタや蛾のなかま等にも対応できます。どちらにしても漠然とフライを巻くのではなく巻く人がどの虫を意識して巻くかです。アトラクター的なフライを除いては必ず虫をイメージして巻くようにしください。

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パラシュートダン  

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スピナータイプ ボデー材はストーク使用

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フローティングニンフ ボデーを沈めるタイプ

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フローティングニンフ   ポストを現場でカット

ブラックボデーにバジャーのハックルを巻いたフライを30年以上も前から夏場のフライとして多様してきました。バジャーのオーバーハックルが水中から魚の視線で見ると透けて羽蟻のウィングそのものであったり、スパイダーのレッグであることを今あらためて感じます。

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又、多くの釣り人がパイロットフライとして使用するアダムスパラシュートはメイフライ、カディス、ストーンフライ、テレストリアル等、多くの昆虫として見えるからパイロットフライとして効果があるのです。しかしライズの釣りとなると必ず魚は決まった虫を捕食しますので、捕食している虫に合わせ、釣り人がそれぞれのイメージで巻いたフライが良いと思います。できればライズしている魚を釣った時にはストマックポンプを使用して胃の内容物を確認して、適切なフライを選択し合わせるべきです。フライに出る魚の方もゆっくりでスムーズに食いつくはずです。

カディス・フライ(エルクヘアーカディス)

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カディス・フライの代表的なのがエルクヘアー・カディスです。

 エルクヘアー・カディスには大きく分けてフロントハックルとボディーハックルがあります。フロントハックルのカディスはサイズの小さいカディスに使用することが多いです。それに比べてボディーハックルカディスは大きいサイズのカディスに使用する事が多いです。その他にウイングにクイルや化繊のシートを使用したパターンもあります。時にはパラシュートカディスも使いますので一度試して見るのもよいかと思います。

エルクヘアーカディスのタイング(ボディーハックル)
 
基本はフックを標準タイプを使用します。大型のカディスを巻くときには2XLのドライフライ用フックを用いるとバランスがとれて見栄えも良好です。一般的にはフリ-ストーンの流れの波だって居るような場所で使用する場合にはボディーハックルタイプが浮力に優れていて使いやすいです。またフリ-ストーンではサイズとカラーさえ合っていれば魚も簡単にフライに出てきますので使いかっても良いです。フロータントもグリスを使用すると長持ちします。
源流のテレストリアル対策には欠かせないフライですので必ず巻いておきましょう。カラーはボデー色だけを変えることで充分ですのでボディーをピーコック、ブラウン、イエローの三色とグレーにオリーブをたして基本に巻くと良いでしょう。ピーコックはビートルや蜂等のテレストリアル対策にブラウンはストーンフライ(オナシカワゲラ)とカディス対策にエローはバッタと初期に緑カワゲラ対策にサイズを変えて使うと効果抜群です。その他に小型のブラックボディーの物を作っておくとアントやオドリバエの代用に使用することもできます。ハックルのカラーはダンカラーを使用すれば全てに対応できますがおもしろみにかけますのでボディーを実物のカラーに合わせたりリブをいれたりするのも良いでしょう。
フロントハックルタイプのカディスは止水やスローウォーターのカディスやストーンフライ(カワゲラ)対策に良いでしょう。当然、流れが遅く魚からも良く見極められる事になりますのでボディーやウィングにそれぞれ工夫が必要です。ボディーカラーは実際の虫に合わせたり、場合によってはボディー・リブなども考慮すると良いでしょう。ウィングも基本はナチュラルを使用してダーク系のアンダーウィングを使用して明るいエルクは目印程度に付け実際の虫の色に近づけると視認性と釣果、双方に良い結果がでます。
1980年代後半千曲の川上村でシロハラコカゲロウの釣りが盛んだったころ、釣友仲間で[それぞれのコカゲロウ]と云う言葉がはやりました。A氏B氏C氏のコカゲロウが微妙に異なるのです。それは釣り人がフィールドへ行く時期によって少しづつ異なっていたのです。当時3月中旬から6月末まで毎週のように釣行していた私には時期によって少しづつカラーやサイズが異なるのを承知していました。又、微妙に変える事により釣果もあげていました。今考えると初期の虫と6月の虫では種類が違うように思います。全てを一言で云うとブルー・ウィング・オリーブです。ウィングの色は大差、違いがないのですがボディーは褐色かかった濃いオリーブから薄い白っぽいオリーブまで色々でした。フライは釣人それぞれの感性でカラーやデザインを変えて良いのです。今までに無い良い結果をみいだす事が多々有りますので挑戦してみてください。
但しけして基本だけは忘れずに。
 例外編:以前ヘンリズホークでマイク・ローソンと釣りをしたE氏が(黄色のメイフライ)の釣りであえて少しだけカラーの異なったフライを流すとなかなか食ってくれない鱒も釣れる事が有ると云われブルーウィングオリーブを付けさせられたそうです。するといとも簡単に釣れた事が有った話をききました。大量に流下するの中に少し色の変わった(オリーブ色)フライの方が魚にアピールでき、思わず食ってしまうのではないかと云っていたようです。
このように何時も柔軟に対応する事も必要です。
カディスに戻ります。最近CDCを使用したカディスを使う釣り人が多くなりましたが帰ってボリュウムが多すぎてCDCの素材をいかせてないフライを見かけます。私の友人H氏のCDCカディスでモンタナのガイド仲間で有名なカディスが有ります。彼の承諾ないのでこの場では公開はできないですが、釣り人の感性が素晴らしいフライを産みだすことは間違いないようです。皆様も歴史に残るフライをデザインしてください。

メイフライとパターン

私の知る限りでも一種類の虫で数多くのフライパターンが生まれます。メイフライの代表的なPMDではニンフからスピナーまで、ステージによって数多くに代表的なパターンを上げるとニンフ、フローティングニンフ、イマージャー、スパークルダン、クリップルダン、ダン、(ソラックス、パラシュート、ヘンティップウイング、ノンハックル)ハーフスペント、スペント(スピナー)数限りないパターンが考えられます。またそれぞれの感性で更に多くのパターンが生まれてくるのです。
 以前、友人のフッシングガイドが**氏のCDCカディス、**氏のPMDダン、**氏のフローティング・ニンフ、**氏のトライコ(TRIKO)などと云ってゲストのパターンフライを大事に使用していました。それらは現地で使われているフライと少し感性が異なっただけで特別な結果をもたらしていたからです。基本的には現地でよく使われているフライで釣れるのですが時として上手く食ってくれない時があります。そんな時にゲストが自分のフライだけでは手持ちが無くなりつりに行き詰まってしまう事が多々あるのです。その様な時に友人達(釣り仲間)のそれぞれの感性で作られた1本のフライがガイドの彼にとって大きな存在だったことは間違い有りませんでした。
 その彼は何年か前にスキー中に雪崩に遭い返らぬ人となりました。今でも彼の流暢な日本語を思い出します。
釣り人がフライを巻く時に注意することはどの様なパターンであろうとも漠然と巻かないことだと思います。たとえばエルクヘアー・カディスを巻くにあたって実際の虫をイメージすることが大事になります。おのずとボデーの色、サイズ、ウィング等が変わってきます。メイフライパターンにも同様なことが云えます。それには水生昆虫を知ることです。詳しくそれぞれの名前やサイズ、カラー、ハッチの季節等を知ることが必要です。使用するにあたり目的もはっきりしてくるからです。迷うことなく釣りをする為に不可欠です。  先日、三峰川で釣りをした時に7匹出てきたのに2匹しかフッキング出来ませんでした。迷ったあげくにフックサイズを小さくしたり、フライパターンを変えたりしましたが本当は私の合わせが早すぎたのだと思います。釣り暦は長くても迷ってはだめです。迷わないようにするには状況を把握して自信を持って釣りをすることに尽きるのです。その日は最初の1匹を見つけ、サイトフィッシングで非常に難しい条件にいた魚をロールキャスト1発でしとめたのに迷ってはこんなもんです。
皆様はこのようなことの無いようにしてください
CDCフライ CDCカディスで私の友人がデザインしたフライがMONTANAで有名だと云いましたがCDCを使用したパターンにはハックルフライ同様メイフライパターンやカディスパターン、テレストリアルパターン等、数多くのパターンがあります。今この時点でも新しく生まれつつあるパターンもあるでしょう。中でも代表的なパターンでメイフライパターンのウイングにCDCを使用しハックルを巻かずに作るタイプは浮力に優れて、一度沈んでも再び浮き上がるくらいですがそれが災いで水面を走る傾向があります。またこのタイプはナチュラル・ドリフトが非常に難しいです。初心者にはそれをカバーするタイプとしてソラックスタイプを薦めます。ウィングをCDCを使用しハックルは少なめに巻きます。ハックルがアンカーの役目をしてドラックがかかりにくくなります。ソラックスタイプはCDCをダイド・ミディアム・ダンを使用すると釣り人からは見やすく魚からは自然に見えて魚の出も良いです。他にCDCをポストに使用したパラシュート・フライタイプも視認性が良く魚も釣れます。作成に難点がありますが縦巻きのハックリングも出来ないことはありません。縦巻きハックリングをするには通常のハックルとミックスして使用すると使いやすいです。CDCをフラット・ウングで使用したパターンではカディスやストーン・フライのパターンによく利用されます。ハックルをどのように使うかでイメージが広がります。またヘッド部分をハーズイヤーやコスタル・ディアヘアーで作ると雰囲気の良いフライができます。エルクヘアーのアンダーウィングとして使用しても良い結果が望めます。スピナータイプのフライにはCDCを沢山付けると視認性は良いですが魚の出は劣ります。どちらにしてもCDCだけを使用するタイプのフライは完全に濡れてしまった時点での復活は難しいようです。あえて再使用するには良く水を切り、リフレッシャー(フルックス)に浸けた後、軽く息で乾かし更に液体のドレッシング(フルックスkty3)に浸けると良い状態になります。商品名を出してしまいましたが自分では何種類かの商品をいろいろ試してみましたがこの取り合わせが1番良かったと思います。

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ソラックスCDC

何年も前に私が初めてアメリカへ行った時、チャーリーが作ってくれたキャリベーティスはマラードとCDCをウイングに使用したスピナーでしたが現地で調達したフライより明かに良くつれました。ちなみにボデーにグースバイオット、ソラックスにダビング材を使用したパターンでした。当時、私が仕事が極忙しかったので他にCDCカディスとカディス・ピューパ、キールCDCダンも作ってくれました。彼がプレゼントしてくれた全てのフライで釣ることができました。さらにミズーリーではプレゼントしてくれたCDCカディスが足りなくなり残念な思いもしました。
兄弟で趣味が一緒だと本当に良いです。兄のフライが無かったら最悪でしたからね。その兄もすでに他界してしまい持つべきものは兄とつくづく感じる毎日です。

ニンフのタイングと使用方法 ニンフ(フェザントテースとハーズイヤーニンフ) フェザントテールニンフの作り方はこのHPのフライフィッシング入門に掲載して在りますので省略いたします。フェザントティール・ニンフはサイズは#10位から#24位までと幅広く使用できます。しかもフラッシュバックのようにウイングケースを変えたり、リビングワイヤーをカパ、ゴールド、シルバーに変える事により使用幅が更に広がります。レッグも縞模様の入った素材(パートリッジやヘン・サドル等)を上手く使用すると良い雰囲気が出せます。フェザントテールではなくなりますが、ボデー材を樹脂のチューブやVリブを使用して更にリアル感を出したフライを巻く人もいます。Vリブやチューブを使用したニンフはなんとなく固いイメージがあり、フライにあいまいさを求めているいるせいか私はあまり好みません。また、レネ・ハロップのようにテール材やボデーの色やそれらの素材を変える事により更に多様化するとより多くの虫のイミテーションとなります。それにはやはり水生昆虫を良く知ることです。水生昆虫を知れば知るほどイメージが湧いてきます。これから話をするニンフフィッシングにも必要なことです。
私は10歳に満たないころから魚釣りをしてきました。また釣るだけではなく、銛で突いたり網やビッテですくい取ったりもしました。夏になるとうなぎの穴釣りもしました。それは同時に魚の生態や水生昆虫を知るきっかけでもありました。増水後に魚たちが一揆に捕食し魚が湧いて出てきたように釣れることも、暑さの為か一向に魚たちが餌に見向きもしない事も、何度も見てきました。ピンヨロ(チラカゲロウ)を目の細かい自家製網ですくい取り餌にして、釣り大会の残り鱒を夢中で釣った日々、堰堤の落ち込みぎわに付いているカメチョロ(エルモンヒラタカゲロウ)を大量に素手でつまみ取、冷蔵庫に保管して、翌朝兄とヤマメ釣に行ったことなど、20歳までは盛んに餌釣りをしていました。チラカゲロウが盛んに泳ぎ回ることも、ヒラタカゲロウが石で出来た堰堤にはい回るほど居ることも子供のころ知ったできごとでした。中学生のころには小さな針を使い虫が泳げるように工夫して残り鱒を誘うように演出した釣りをして沢山釣りました。ある意味でこれらの餌釣りのテクニックを活用できるのがニンフフィッシングであるといえます。ニンフをあたかも生きているように演出して魚を誘う釣り方を身につけてください。ニンフフィッシングは簡単に釣れる釣りのように思いがちですが本当はとても難しいことです。ベテランと初心者とでは釣果に大きく差が出るのです。魚の捕食場所へナチュラルにニンフを流すことが基本ですが魚は環境によって底に居たり、水面近くに居たり、石の陰に居たり、流芯に居たり、流れによりそれぞれです。魚の居場所には本来、理論的な理由があるのです。それは魚にとってエネルギーを使わずに捕食でき、危険をおかさなくてもすむ場所であります。それらを状況に応じて分析しなければなりません、しかも瞬時に無意識にできなければなりません。このようなことを考えると私はドライフライで釣るよりもニンフフィッシングの方が難しいと思います。少なくとも釣り人がエネルギーを使う釣りだと思っています。一つ一つのテクニックを申し上げるにはそれこそ難しく文才のない私には文章にすることは不可能ですので省略さてください。ただ云えるのはナチュラルに流すだけでないことも確かです。虫は泳ぎます。特に羽化する時には身体に気泡を付けて流れに逆らって浮いてくるのです。ダイビングカディスのように明らかにミズスマシのように泳ぐ者もいます。またメイフライの中にも水中羽化の虫はいきよい良く水面へ浮き上がてきます。これらを演出するのは並大抵のことでないことも確かです。それでも虫たちの動きを意識してニンフシッシングを続けなければ何も感じることは無いのです。何かを感じて身につけるには繰り返し動作をするのが基本です。そして何時かはハ!と感じたときが来るはずです。何回も何回も数多く感じたことがニンフフィッシングをマスターシ、幾つもの釣り方(テクニック)を備えたことになります。 ニンフを巻くにはフェザントテール、ハーズイヤー、カディスピューパーそれらのウエイトの変化と釣人の感性を加えるだけで充分であると思います。 ニンフフィッシングではフライパターンよりテクニックの方が重要だと云うことだと思います。是非、身につけてください。


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