カディスピューパーの釣り
画像(ショウトウィングカディスピューパー)
水面直下のカディス・ピューパと底を転がすカディス・ピューパ
私はカディス・ピューパーを良く使います。釣果が上るからです。忍野のように透明度の高い川ではカディス・ピューパーを沈めて川底を転がして大きく美しい鱒を釣るのが好きです。釣り方は難しく集中力が重要になってきますがそれでも好きです。カディス・ピューパをティペットの先に着け少し上に適当な大きさのショットを着けて底を転がす様に流すだけです。
流速が早く魚が底のくぼみに居るときなどはショットの位置や大きさを選択するのが難しいですが上手く魚の前に流れ、綺麗な40cmクラスの虹鱒が食ってくれた時などは思わず声が出てしまいます。
浮かして使うカディス・ピューパー
カディス・ピューパーをフロティング・ニンフのようにも使います。単純にドライフライトして使用するのですがあえてフローティング材を使用せず水面直下を流すことで魚の警戒心を和らげます。魚にとってサーフェイスフィルムを境界にして水面直下と水面上では大きな違いが有るようです。
以前ドライパターンでは反応すらしてくれない鱒が意図も簡単に釣れる事を経験したからです。その時はけしてカディスのハッチが在った訳ではなかったのですが水面下を流れるカディス・ピューパーに敏感に反応しました。たった5分足らずの間に同行者とたてつづけて数匹の鱒を釣る事ができました。コンパラダンとスパークルダンの違いでも同様な経験をしました。
コンバラダンとスパークリングダン
右のシャックの付いている方がスパークリングダン
シャックはもう少し長め(ニンフの長さ)の方が見た目は良いかと思います。 フィールドでは見た目のようにならないのが常ですのでその都度ためして下さい。
こんなにも違いが有るのかと身を持った感じた事が十数年前の千曲川(川上)の事でした。その時はいつものようにE氏と2人で交互に追いつき、追い越しての釣りあがりでした。当日は2人共コンパラダンを使用していました。どのポイントでもフライの下まで必ず出て来るのですが何故か直下で帰ってしまうのです。2人で今日は何だか変だな、ずいぶん魚がスレてるな!何時もなら簡単に食いつくのにと頭をひねっていました。何度かフライを代えているうちにシャックを引きずったフライに変えてみたのです。今まで帰ってしまっていた岩魚がフライを食うではありませんか・・・・? 速、E氏に報告しました。やはりE氏も同様な結果でした。二人で次々と釣り始めました。
その後あえてシャック無しにもどしたがやはり食いつく寸前で帰ってしまいます。たったシャックが付いているだけでこれほど大きな変わり様があるとは思いも寄らない事でした。私はシャックがサーフェイスフィルムを破って水面に張り付いているだけで岩魚は安心できるのではないかと思います。またシャックが付いているでけでイマージャー条件で水中にフライが有ると思い込んでいるように考えられます。どちらにしても魚はフライを食う段階でサーフェイスフィルムを境にして大きな違いが有ることは確かです。その事があってからはカディス・ピューパーを使用する時にはフロータントを付けて浮かして使用する方法とレッドワイヤーを少し入れて水面直下を沈めて使用するのと区別しています。
NZでのイブニング・ライズは昼間の釣りより難しいと釣り仲間で云われていますがこの方法をうまくとりいれわずかの時間に自分の前でライズしている4匹の魚をことごとく釣った事がありました。それもライズの形状で水面直下にするかドライで浮かすかを判断できなければ成り立たないことですが。
スネール(巻貝)とフライフィッシング
NZの ワイカトリバーに流れ込む支流の合流点での事でした。ガイドの話では本来は支流の方でサイトフィッシングの予定だったようです。雨が少なく渇水状態で支流の水位が少なく本流との合流点に全ての鱒が集まってしまっている状態でした。投げにくいポイントでニンフをワイカト側へ投げラインを合流地点へ移動しての釣りでした。この川で初めてラインを魚がハッキリと嫌がるのを経験しました。フロティングラインが流れて合流点から支流側へ入り込むと何十匹いや100匹を超える鱒の集団にラインが上に掛かると魚群がラインに押されて支流側の入江へと移動するのです。その群れが限界を超えるとラインの下を一斉に本流側へと移動するのです。しかしそのような状態でも鱒の集団はフライに食いつき当たりの連続で2人で交互に飽きるほど釣りました。
その時ワイカト側でライズを発見。
それは水面すれすれに流れる浮流物を食っていました。よく見ると浮いて流れる巻貝です。フライボックスを開け巻貝に近いフライを捜しても見当たらず断念しなければなりませんでした。日本へ帰宅後いろいろ試してフライを完成させましたが次にNZに行った時にスネールフライを使用するチャンスは無かったです。
その後モンタナへ行く機会がありMリバーで泳ぐスネール(巻貝)を観察することになります。川の緩やかな流れ付近には川藻が茂り漂っていました。良くみると大小幾つものスネールが付着しています。観ていると1個のスネールがプカプカと流れて来ました。それはあたかも己の意思で浮き仮足を延ばし、ラッパを広げ途中の水藻にしがみ付こうとしているようでした。他に同様な固体を幾つか見つけた時です頭にすぐにレネゲードが浮かんだのです。一般的にはレネゲードはトラエコのスピナーホールにトラエコのクラスター(塊)として使用します。実際にそのように使用して何度か良い結果を出した事がありました。しかし流れるスネールを観てからはレネゲードのイメージが変わってしまいました。 再び機会があったらレネゲードをフローティングスネールとして使用してみたいと思っています。
資料は全て私の実経験より導かれた物です。異なった意見も在ろうかと思いますが釣果に良い結果が出ることを願ってあえて断定的な語尾になっている場所があります。また、どのような事にも例外がありますのでそれについては皆様の感性によって解決できると確信しています。
寛大な皆様に感謝いたします。NO6で合いましょう。